会社は、その設立から解散するに至るまで、その変動を商業登記簿に記載する必要があります。もちろん、会社のすべての動きというわけではなく、取締役の選任や退任、本店の移転や支店の設置をはじめとする会社にとって重要な変動だけが記載の対象となります。そして、何が重要であるかは法律で定められており、法律で定められた事項を登記(商業登記と言います)することによって会社の信頼性を確保しています。
会社は、営利追及を目的とするものであり、個人とは違って多数の利害関係が生じます。したがって、重要な変更が生じたにもかかわらず、その旨の登記をおこたっていると、対外的な信頼性が低下するばかりでなく、法律上、罰則も設けられているため、必ずしておかなければなりません。
会社法に定められている会社のルールは複雑で、たとえ親子で営んでいるような小さな会社であったとしても、このルールに違反するようなやり方で会社の重要事項を決めることはできません。そして、登記をしなければならない重要な変更を行った場合、登記の申請には、適法に手続きを行ったことを示す多くの添付書類が求められます。
ただでさえ複雑な商業登記ですが、さらに申し上げると、登記の申請書類に不備があったり、法律上の要件を満たしていなかったりすると、補正と呼ばれる手直しを求められたり、場合によっては、登記自体が受け付けられない場合も出てきます。また、ある変更を行おうとした場合、これと連動して別の変更も行わなければならないような複雑な手続きも少なくないことから、専門知識がないとうまくいかなかいことも多いです。
司法書士は商業登記の専門家であることから、複雑な登記手続きの依頼に対して的確に応えることができます。もちろん、手続きに必要となる書類の作成は司法書士が行いますので、慣れない手続きに対する会社のご負担を大幅に減らせるというメリットがあります。
さらに、司法書士は、商業登記と密接に関連する会社法の知識も豊富に有していますので、会社の重要な変更を行おうとする場合、法的な側面から司法書士にサポートを受け、正しい知識に基づいた的確な助言を受けることができるというメリットもあります。将来的な会社像も見据えたうえでアドバイスを受ければ、よりスムーズな会社運営も可能です。
会社・法人に関する登記については、管轄の法務局への登記申請が必要です。近年は、法務局の統合が進んだことにより、地方における商業登記の申請は、身近にある法務局に申請できないことも少なくありません。
また、商業登記は、変更があったときから原則として2週間以内に手続きを行わなければならないことから、スムーズな申請を行うためにもぜひ当事務所へご依頼ください(淡路島の場合、商業登記の申請は島内の法務局に申請できません。)。