成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などの理由により判断能力が十分でない方々が社会生活において不利益を被ることがないよう、家庭裁判所が成年後見人と呼ばれる援助者を付け、これらの方々を保護・支援するための制度です。
※支援を受ける方の能力に応じて「成年後見人」「保佐人」「補助人」いずれかの支援者が付きます。
たとえば、預貯金や不動産などの財産を管理したり、介護サービスや施設への入所契約、さらに遺産分割の協議など、判断能力が十分でないと自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。
また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうことも考えられます。成年後見人(保佐人、補助人)は、これらの行為を本人に代わって行うことによって本人を支援し、また、犯罪被害等から本人を守り被害を未然に防止します。
① 申立てまで
申立ができる人は法律で決まっており、申立人は本人か4親等以内の親族がなれます。
申立てにあたっては、申立書類をととのえる必要があるため、本人の財産目録を作成したり、本人の意思能力がどの程度残されているのかを判定するために医師の診断書を準備したりすることが必要です。もちろん、これら以外にも必要となる書類はたくさんありますので、これらをご本人や親族のみで行うのは大変かもしれません。
② 申立後の流れ
申立書を裁判所に提出した後は、裁判所が主導して手続きが進行します。申立書類の内容が審査され、本人がどの類型(後見・保佐・補助)にあたるのかを判断したうえで、その結果が審判書という形で通知されます。なお、申立て後、後見人等が選任されるまでには数か月程度必要となります。